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グリザベラの館

グリザベラの館

帝劇で【ルドルフ】を観ました

【ルドルフ】を帝劇で公演していると知ったのは実は数日前のこと。

新聞の演劇欄に、ルドルフのタイトルロールを演じる井上芳雄君について

掲載されていたからなんですよね。

井上君は芸大在学中に帝劇の【エリザベート】ルドルフ役で

華々しくデビューしたそうです。その後も【モーツアルト】【三銃士】他

沢山のミュージカルに出演して、9月には【ダディ・ロング・レッグズ

~足ながおじさんより~】に出演するそうです。

数年前には、【ルドルフ】を宮本亜門さんの演出で

そして今回はルヴォーさん演出で

どちらもタイトルロールで出演とのことで

ルドルフは縁のある役なんだそうです。

この記事を読んで、もし当日券があるなら観たいと思いましたね。

【ルドルフ】は初見になるけれど

大好きなハプスブルグものだし

宝塚星組紫苑&白城トップコンビの【うたかたの恋】も大好きだったので

どんな演出なんだろうとすごく気になったんですよね・・・

井上君をミュージカル特集とかスタンダードナンバー特集とか

テレビ番組でしかみたことなかったので

実際に観てみたいと思っていたんです。



 それからタイトルロール以外の主要キャストがまた豪華!

宝塚や四季出身の方が多いのにもビックリ!

マリー役の和音美桜さんも実は宝塚出身なんですね、知らなかったです。

BSの宮川彬良さんの音楽番組で創作ミュージカルがあるんだけど

主演的役割をしていたのを観て

歌・芝居・ダンス三拍子揃ってできる稀有な役者さんだなと思ったものでした。


あと宝塚出身では一路真輝さん

四季出身では吉沢梨絵さん、坂元健児さんですね。






 ずっと前の【レ・ミゼラブル】以来の帝劇、場所も最初は不安だったの・・・

国際フォーラムがある通りをお堀側に向かうとありました。

中に入ると天井が高くステンドガラスがあり歴史の重みさえ感じました。





 ワイルドホーンさんの音楽なので歌い上げナンバーが多かったですね。

同じ作品なのに演出家が変わるとベツモノとキャスト(プログラム)と

観客(ブログ)で話されていましたね。

私は宮本亜門さんの【ルドルフ】を観てないからわかりませんが

宝塚の【うたかたの恋】とも異なりますね。

【うたかた~】のルドルフは、ドナウ連邦を夢見てるけれど

皇太子の立場ではどうすることもできなくて疲弊してるところに

マリーが現れるんですよね。ルドルフの心の救いというか

マリーといるときだけ現実(皇太子という立場も)を忘れて

幸せな気持ちになるんですよね。

ルドルフにとってマリーは【小さな青い花】であり

可憐なイメージでしたね。

舞踏会のシーンもウィンナーワルツ【こうもり序曲】【美しく青きドナウ】とか

使われていました。

ラストの心中のシーンも天国に旅立つシーンがあって

今回の作品よりか夢がありましたね。




 ここでやっと、今回の作品の話、前置き長すぎっ!

フランツ・ヨーゼフ皇帝(父)とルドルフ皇太子(子)の確執が

すごくわかりやすかったですね。

どちらも国のことを思っているのですが、考え方が全然違うんです。

父親はハプスブルグ帝国を守ろうとドイツとの結びつきを強調するけれど

子供は『ドイツだけじゃなくもっと大きな視野で世界を見て

もっと民衆のこと考えて』と訴えるんですよね。

ルドルフの思想って今で言うユーロみたいなことで

もしもルドルフの意見が通っていたなら

世界の歴史は変わっていたでしょうね。

皇太子という立場上どうすることもできないから

匿名で思想を文章に綴るんですよね。

その思想に共感するのがマリーなんです。

マリーは最初この匿名の方がまさか皇太子とは思ってないので

ルドルフとわかった時はすごくビックリするけれど

一気に惹かれていくんですよね。






 男爵令嬢のマリーには破産寸前の家族のために意に添わない

結婚話があがってたんですよね。なので宝塚のマリーより

質素なドレスなんですよね・・・

宝塚のマリーと異なり、自分の意見をはっきり言い行動に起こしますね。

ターフェオーストリア首相に呼ばれて対峙するシーンは迫力満点でした。






 ステファニー皇太子妃は、吉沢梨絵さんでした。

四季を退団されてから初めて観ました。

四季時代はピコやソフィやアンなど少女役が多かったので

今回の大人の(しかも皇太子妃)役にはビックリしましたね。

宝塚のステファニーとは違い出番が多いので気持ちがわかりやすかったですね。

ルドルフには冷たくされるものの、皇太子妃としてもプライドがあるものの

それでも私はルドルフの妻よ!ってひしひしと伝わってきました。

【うたかた~】はルドルフ・マリーを中心に観てたので

ステファニーがイヤな人に見えましたが

実際はステファニーは悪くないんですよね。

ルドルフとマリーが道ならぬ関係になってるんですもんね。




 ターフェオーストリア首相は坂元健児さんでした。

この方も四季出身ですが、【ライオンキング】のシンバ役しか

わかりませんね。2幕目で【ハクナマタタ~】って歌って

出てくるシーンが印象的でしたね。

ターフェは【うたかた~】には出てこない役ですね。

現状維持な政治的シーン担当って感じですね。

ルドルフを追い詰めてしまったけれど

ターフェは自分のしなければいけない政治を維持しただけなんですよね。



 ラリッシュ伯爵夫人は、一路真輝さんでした。

一路さんもハプスブルグものと縁がありますよね。

宝塚退団公演が初演【エリザベート】のトート役

退団後女優になってからは東宝版【エリザベート】のタイトルロールですもんね。

ラリッシュ伯爵夫人はルドルフのいとこで、マリーの年の離れたお友達。

ルドルフとマリーが会うきっかけをつくるキーパーソン。




 フランツ・ヨーゼフオーストリア皇帝はナント村井國夫さん。

【エリザベート】のシシィのパパ・マックス公爵役にいないなぁ~と思ったら

こちらでエリザベートのダンナをしていたんですね・・・

【エリザベート】の前で気弱なフランツしか知らないので

【ルドルフ】の父子の確執を観てびっくりしました。

さすが存在感ありますね!



 気になった演出は、スケートのシーンで

ローラースケートしているところ・・・

すごく特訓したんだろうなぁと思いました。

それからマイヤーリンクでの心中シーン。

オペラ座の地下みたいにベットのまわりに沢山ろうそくがあり

ルドルフとマリーがひとつひとつ吹き消していき

最後に二人が消して真っ暗になり銃の音がふたつ・・・

そして照明がつきベットに横たわる二人が見えて

幕が閉じるんです・・・

この終わり方に和を感じたのは私だけかな?

曽根崎心中とか蝶々夫人(蝶々夫人はひとりだけどね)を

思い出しました。宝塚と違ってシンプルな終わり方ですね。

もしも気になるなら後は観る側のご想像にお任せしますって

ことでしょうか。


 そうそうアンサンブルも宝塚や四季出身が多かったですね。

宝塚出身の大月さゆさんは在団時代は観たことないけれど

昨年【MITSUKO】(こちらもワイルドホーンさんの音楽)で

日本人留学生役で観ました。そして今回は娼婦や貴族役だったのだけど

多すぎてどこにいるのかわかりませんでした・・・





 もうすぐ帝劇公演楽ですね。名古屋公演してくれないかな・・・

名古屋あったらまた観に行きたいですねっ!



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